初学者の方に1万円で開発を発注して技術教育するのは有りか?

概要

OSS のプロダクトを立ち上げて、初学者の方々に月1万円程度で発注して、一緒に勉強しながら開発すれば、メンター費を取らずに初学者の方を育てられるし、初学者の方も勉強しながら小銭を稼いだ実績も作れて、万が一そのプロダクトが当たったら私もペイできて win-win なのでは?という話をします。まだ妄想段階なので、ご意見を聞かせて頂けると嬉しいです。(「興味あります!」とか「面白そう!」とか「それ絶対破綻するよ」とか)

背景と課題

ここ1ヶ月、Twitter で初学者の方々を100人ぐらいフォローして、初学者の方々がどんな壁に当たるのかを観察していました。そこで感じた業界の課題は前回の記事に書きましたが、初学者自身の課題もいくつか感じています。その課題の1つは、自信を持てない方が多すぎるということです。

やっぱり実務を経験するまでは自信って身に付かないじゃないですか。Progate とかドットインストールとかで勉強を進めていても、「本当にこの勉強結果はエンジニアデビューするに足るものなのだろうか」といった不安を抱えている方が多いです。また、勉強中に詰む人があまりに多いです。ググっても解決しないエラーに出くわしたとか、開発環境がぶっ壊れたとか。詰むとモチベーションをどんどん吸われて自信も失っていくので勿体無いなぁと思うわけです。1つの解決方法は、これも前回の記事に書いた通りさっさと未経験受け入れ企業に就職することなんですが、未経験受け入れ企業へのエントリーは基本的にガチャなので、企業の教育方法と本人の適正がマッチせずに結局挫折して退職…のような例も目にしました。まあ、合わなきゃ辞めるってのは個人的には大正解なんですが、それで自信がゼロになるほど自尊心を痛めつけられてしまう方もいるわけです。

もう1つの課題はフリーランスの神格化問題です。web系エンジニアへのデビューを狙っている初学者の属性で意外と多いのが、既婚女性の方々です。特に Ruby は傾向としてフルリモート可の案件や、カジュアルにフリーランスに発注するフットワークの軽いベンチャー企業が多いため、家事や育児の空いた時間で自宅で稼ぐ手段として注目されているようです。大変良いことですね。ただ、現在 Twitter 界隈では「フリーランスそんなに甘くない論」が頻繁にバズっていて開業に踏み込めない方が多いです。これの是非は置いといて、少なくとも今すぐにまとまった収入を必要としていない層の方なら、とりあえず月1件でも数万程度の仕事を受けて少しずつ実績を積み始めることは、今すぐにでもできるのでは?と思っています。初月から安定して月数十万を稼ごうと思わなければ、フリーランスってそんなに難しくないです。開業していれば月収1万円でもフリーランスです。そこから徐々にキャリアを積んでいけば良いのです。しかし、先ほどの課題にも繋がりますが自信がなければ仕事の募集もエントリーも気後れしてしまうようで、開業に踏み込めない方もいるわけです。

個人的には、これらの課題を抱えた方々を救って住み心地の良い業界を作りたいです。自分がメンターになって学習やキャリア構築をサポートすることはできるのですが、私のメンター費用は月額5〜10万円程度なので、個人で払うにはまあ高いです。ただ、値下げは自身の市場価値や業界の市場価格を破壊してしまうので個人的な心情としては全く選択肢にありません。

提案

そこで提案です。冒頭に書いた通りです。OSS のプロダクトを立ち上げて、初学者の方々に月1万円程度で発注して、一緒に勉強しながら開発すれば、メンター費を取らずに初学者の方を育てられるし、初学者の方も勉強しながら小銭を稼いだ実績も作れて、万が一そのプロダクトが当たったら私もペイできて win-win なのでは?というやつです。少し詳しく説明しますね。

どんなことをやるのか

適当に OSS のプロダクトを立ち上げます。私が発注するので、私の個人アカウントの下にリポジトリを作ります(問題ないよね…?)。プロダクトの内容は完全にノープランで、初学者の方々のどなたかが作りたいものがあれば採用したいし、あくまで勉強用なので簡単なタスク管理システムや Twitter のパチモンみたいなシステムでも良いと思っています。1プロダクトにつき私を含めて2〜4人程度を想定しています。slack でチャットベースで仕様を話しながら、GitHub の pull request で開発を進めていきます。pull request には必ず私のコードレビューが入ります。実際の現場っぽいですね。ここまで何を言っているか分からない初学者の方をむしろ想定しているので意味がわからなくても大丈夫です。チャットでコミュニケーションが取れて、ググりながら git が使えれば大丈夫です。想定する発注者の属性については後述します。

採用技術は基本的に Ruby on Rails 固定です。何故今時に初学者に Ruby on Rails を勧めるのかについては前回の記事の記事の後半のどこかに書いてます。まあ大きな理由は初学者がググった時に日本語の情報に当たりやすくて比較的詰みにくい技術だからです。あと、私が自信を持ってコードレビューできる技術だからです。ただ、プロダクトによってはスマホのクライアントアプリがあった方が良かったりするので、そこは雰囲気で。まあとにかく、私が軽くサポートするので皆で何か作ってみましょってことです。

想定している発注先の属性

私がお金を出して発注するので、ある程度の条件はあります。本田圭佑さんの「僕がお金を払って教えます!」的なあれではなく、あくまでプロダクト開発が目的なのでご理解ください。

まず稼働時間です。稼働管理をするつもりはありませんが、どんなに少なくても週に10時間程度の時間を割ける方に限ります。稼働時間帯は、朝でも昼でも深夜でも休日でもいつでも構いません。上限はありません。月に160時間働いても月額1万円固定のブラックです。その分、開発のサポートも多く受けられるのでトントンだと思って頂けると幸いです。

次に技術レベルですが、Progate や書籍等である程度の学習を終えて次のステップに迷っている方や、rails チュートリアルで詰んでしまった、あるいは何とか完走できたぐらいの方を想定しています。その成果が何かしらの形で見られる方に限ります。例えば、実際に作ったものや GitHub 上のコードを公開している方、勉強の様子を Twitter 等で継続的に記録している方であれば大丈夫です。

契約

契約を交わした実績を作れて練習になれば充分だと思うので、とりあえず発注書と請求書だけ電子でやり取りできれば良いと考えています。請求書はググって出てきたフォームを参考に送って頂くなり、freee の無料プランで発行するなりして頂ければと思います。ちなみに振込は翌月25日ぐらいになると思います。1万円ポッキリの単月契約です。継続は勿論できますしプロダクト完成までに2,3ヵ月はかかるだろうと想像していますが、あくまで初学者の方が本格的に就業するまでの練習なので4ヵ月以上契約することは、まずないだろうと考えています。

初学者のメリット

(私のキャリアについては前回の記事を参照)。

私のメリット

あんまりないです。一旦の目的は将来有望なエンジニアをメンター費を取らずに育成できる良い方法を模索することです。勿論お金を配って慈善事業をやる気は全くないし「投資」なんて言う気も全くなくて、これで私が儲かる方法を探します。Amazon のウィッシュリストを公開したら誰か何か買ってくれる?とか、GitHub の Sponsors で誰かカンパしてくれる?とかその辺を考えています。実益ではないですが、作ったプロダクトは発注者である私の資産(MITライセンス)になりますし(なるよね?)、こういう活動をしていることで名前が売れるかもしれないので、その辺でワンチャンあるかもしれません。

終わりに

この提案は、有望な初学者の方を無料で育成できて実績作りに協力できて、かつ教育業界の市場や私の市場価値を悪戯に破壊することなく、私も得できるような方法を考えてみた思い付きのプランです。冒頭にも書きましたが、ご意見を聞かせて頂けると嬉しいです。(「興味あります!」とか「面白そう!」とか「それ絶対破綻するよ」とか)

もしやるなら参加してみたい、と感じた方がいらっしゃいましたら私までご連絡ください。ちなみに2人以上集まらなかったら頓挫です。