IT初学者向けコミュニティ it-newbie を立ち上げた

it-newbie とは

IT 関連職を目指す人や、新しい技術に挑戦する人に向けた slack ワークスペースだ。元々は、初学者を無料でオープンなコミュニティに集めて、外部のオンライン教材の組み合わせでカリキュラムを作って、コミュニティ内で質問しあったり教えあったりして共に切磋琢磨できれば、初学者の成長環境としては充分なのでは?という発想から作られたワークスペースだ。

興味のある方は、こちらからどうぞ。

現状

まだ、ただ slack のワークスペースを立ち上げただけだ。しかし、既に130人近くの方が参加してくださっており、自己紹介チャンネルの投稿は活発である。また、汎用質問チャンネルにはいくつか質問があり無事に解決に導かれた。まだ何のコンテンツも価値も提供できていないが、今のところ良かったのは、初学者にとって「とりあえずオンライン上では孤独ではない」という状態を作れたことと、「初めてコミュニティに自主的に参加してみる」という体験を与えられたことだ。特に後者は、ここから ruby-jp 等の言語やライブラリの中の人までが在籍しているような規模の大きなコミュニティに入るための背中押しになれば嬉しいと思う。

これからの展望

slack アイコン

目下の問題として、slack アイコンがデフォルト状態で寂しいので用意したいと思っている。誰か作ってくれないかなぁ(ちらちら)。というのは冗談で、複数案出てきた場合に週次で入れ替えるか早い者勝ちか投票か…といったプロセスを踏むのは少し負担が大きいので正直迷っている。「使われなくても全然問題ない」という方がもしいらっしゃれば、是非協力をお願いしたいと思っている。

チャンネルの充実

現状は、自己紹介チャンネル、汎用質問チャンネル、勉強宣言チャンネルの3つがある。自己紹介チャンネルはその名の通り、初めて来た人が自己紹介をするためのチャンネルだ。汎用質問チャンネルは、将来的には技術分野ごとに分けたいところではあるが、方向性が定まっていないので一旦汎用的に使える質問回答用して仮に設けている。勉強宣言チャンネルは、「XXX の勉強をします!」とか「hh 時までポートフォリオ制作します!」とか宣言をするためだけのチャンネルだ。勉強仲間がいるという意識がモチベに繋がる可能性があることと、他の人がどんな勉強をしているかが分かると界隈の動向が把握できるを狙いとしている。

今後は、質問チャンネルの技術分野をある程度分離しようと思っている。質問のジャンルが不明瞭であると、ウォッチするのがしんどくなるので「俺はモバイルアプリ開発に関する技術のみ詳しいので、この質問チャンネルは見張っておく」といった運用ができるように考えるつもりだ。他にも、初学者にとって求められそうなチャンネルを適度に増やしていきたいと思っている。(「適度に」のバランスが難しい)

治安維持

今のところは大変治安が良いが、あくまで無料のワークスペースなので人数が増えてくると荒れてくることを予想している。アフィリエイトブログや YouTube 動画への誘導、マルチレベルマーケティングの勧誘、企業やスクールや OSS や言語に対する批判を可能な限り抑止したい。そういうことをする人達を私がわざわざ注意しに行ったり、キックしたりといったことはしていたらキリがないので、文化で何とかしたいが現実的に難しい問題だと思っている。とりあえず、近いうちに Code of Conduct 的な文書は作成しようと思っている。

ランディングページ

「it-newbie とはこんなコミュニティですよ」といった紹介ページを1枚用意したいと思う。Code of Conduct 等もここに載せたい。こちらに関しては一日ぐらいでサクッと作れる有志の方が現れるまで待つ。

ロードマップ提案

オリジナルの教材を作ることなく、多くのユーザーが通るような鉄板の教材を初学者に提案できる環境を作りたい。1枚のロードマップページを作って、「web に進みたいなら最初にこれ、次にこれ」、「デザイン方面を目指すならこれ」といった風に、「無料で IT 業界目指すなら、一旦 it-newbie のロードマップに従っていればok」といった状態を作りたい。そのために無料で、日本語で、明らかに多くのユーザーが使っている教材や公式チュートリアルを探している。私が初学者教材にそこまで明るくないので、今のところは Progate とドットインストールの無料公開部分と、railsチュートリアルぐらいしか鉄板教材を提案することができないので、何か良い教材があれば教えてほしい。現在、Twitter で同様の募集を行ったら Udemy の無料部分の評判が良いと伺っている。

ただ、このロードマップに関しても、どこまで幅を広げるかを迷っている。ある程度絞った方が質問や回答が活発になりやすい反面、皆で似たような技術習得に励んでも飽和してしまうし多様性を損なう。あくまで it-newbie は学習状況を管理するわけではなく、道が分からない人だけに提案をする程度の立場なので、そういうことは今のところ気にしなくて良いのでは?という考え方もある。かと言って、皆が取り組む技術の幅が広すぎて質問と回答が活発化しなかったり仲間が見つからなかったりしたら本末転倒ではあるので悩ましいところだ。

最終目標

このコミュニティを放置したい。初学者が勝手にこのコミュニティに入って、勝手に教材を選択して、勝手に質問と回答をし合って、勝手に新たなコミュニティにも顔を出して、勝手に就職していくようなエコシステムを作り上げたい。「とりあえず it-newbie 入っとけば捗るよ」と言われるようなコミュニティに育てたい。

実施すべきか迷っていること

協力者の方々との議論で、今はオープンすぎて逆に質問や回答以外の些細なコミュニケーションを取り辛いので、もう少し初学者同士で小さなコミュニティを内部で作れるようにすると盛り上がらないか、という話が上がった。私もこの意見には積極的だが、問題はこの小さなコミュニティをどのような単位で作るかだ。パブリックチャンネルの作成権限を全ユーザーに開放して、times のように個人ごとのチャンネルを推奨して、it-newbie での発言に積極的な初学者同士でコミュニケーションを取ってもらう案が1つ、言語や分野ごとの雑談チャンネルを用意してそのチャンネルの中でコミュニケーションを取ってもらう案が1つだ。これは近日中に方向性を決定して、今週末には開始しようと思っている。

また、無料コミュニティとスクールの大きな違いとして、勉強の強制力が弱いという問題がある。まあ、皆に強制する必要はないのだが、ある程度の強制力を与えられないと勉強ができない初学者も多いので、そういった方々に対しても何かできることがないかを考えている。例えば、「今月中に rails チュートリアルを終わらせる組」のようなグループを1つ作って、その小さなコミュニティの中で競争及び助け合いを行ってもらうことである種の強制力を働かせる案がある。勉強のマイルストーンを複数人で共有して、チームで課題に取り組むのは多くのプログラミングスクールが取っている戦略だが、プラットフォームが slack だけでそこまで可能か、そもそもまだメンバーが125人しかいない状態なので今やるべきではないような気もしている。そんなこんなで、やりたいことも解決したいことも山積みだ。

終わりに

完全に見切り発車で始まったプロジェクトなので、まだフワついている部分が多いが、協力を申し出てくれた方や運営方針の提案をしてくれる方もいらっしゃるので、皆で協力しながらこの業界を少しでも良くしていきたいと思う。

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